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尿漏れ

2021年10月19日
おむつ

尿漏れとは、自分の意識とは関係なく尿が出てしまう症状のことです。

排尿のしくみ

通常、腎臓でつくられた尿は、左右の尿管を通って膀胱に蓄えられます。

膀胱は伸び縮みしやすい筋肉でできており、個人差はありますが成人ではおよそ200~500mlの膀胱容量があるとされています。

そこに、尿が150~200 mlほど溜まると神経の働きで脳に刺激が伝えられ、脳から「おしっこを出そう」という信号が出され尿意を感じます。

そして、尿意を感じてトイレに行くと、膀胱の筋肉が収縮し尿道が緩んで、膀胱内に溜まっていた尿が排出されます。

膀胱内の尿がなくなると、再び膀胱が緩んで尿道が締まり、尿をため始めます。

加齢にともない、排泄に関わる器官が老化すると、尿が出にくくなったり、逆に頻尿や尿漏れなどの症状がみられるようになります。

「尿漏れ」といってもいくつか種類があります。

尿漏れのタイプと症状

・腹圧性尿失禁

尿道の抵抗が低下しているため、重いものを持ち上げたり、走ったり跳んだり、くしゃみや咳をしてお腹に力が入った時に尿道閉鎖圧を超えてしまうことで起こる尿漏れです。

・切迫性尿失禁

急に尿意を強く感じ、我慢しきれずに漏れてしまうことです。膀胱が意識とは関係なく収縮してしまうために起こり、過活動膀胱ともいわれています。男性では前立腺肥大症、女性では膀胱や子宮などといった臓器が本来の位置から下がってしまうことでも起こりやすくなります。

・混合型尿失禁

腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁の両方の要素を含んだものが混合型尿失禁です。腹圧性尿失禁を有する女性のうち約30%が切迫性尿失禁を合併しており、閉経期の女性の多くが、このタイプといわれています。

・溢流性(いつりゅうせい)尿失禁

尿を出したいのに出せない、多量の残尿があるにもかかわらず、無意識に尿が少しずつ漏れていってしまうことです。排膿障害を引き起こす代表的な疾患として前立腺肥大症がありますが、溢流性尿失禁では、排尿障害が必ず前提にあるため、男性に多く見られます。女性の場合は、子宮や直腸の手術をして膀胱周りの神経機能が低下した状態にみられます。

・機能性尿失禁

身体運動機能の障害や認知症があり、トイレまで間に合わなかったり、トイレが分からなくなったり、排泄の行動自体が分からなくなってしまうといった理由で起こる尿失禁のことです。

上記のとおり、尿漏れにもさまざまなタイプが存在します。

高齢者にとって排尿障害は、生活の質(クオリティオブライフ:QOL)を大きく損ないますので、自分がどのタイプに該当するか、かかりつけの医師に相談して、適切な治療や対策を行いましょう。