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介護食とは
- 2021年6月9日
- コラム
高齢になると身体機能が低下するため、食べる・噛む・飲み込むなどの一連の動作に支障をきたすことがあります。
例えば、歯が抜けたり、義歯で食べ物が噛みにくくなる、顔周りの筋肉が衰えて、思うように咀嚼できない、唾液の分泌量の減少などがあげられます。
そのことにより、食べることが億劫になってしまい食欲が低下して、食事の摂取量が減り栄養不足になりがちです。
また、栄養不足になると、脳にも十分な栄養が行き渡らなくなってしまうため、認知機能の低下をもたらすこともあります。
そこで、通常の食事を食べやすくアレンジしたものが「介護食」です。
高齢者の一人一人の状態に合わせて、食事の形態を変え、安全に美味しく食べられるように工夫します。
介護食の種類と特徴
・きざみ食
飲み込む力はあるものの、噛む力が弱くなった方に適した食事です。
食べる方の状態によって1~2cm角に刻んだり、細かくみじん切りにします。
ただ、細かく刻んであるため、口の中でまとまりにくく、誤嚥(誤って喉頭と気管に入ってしまう状態)につながる可能性もあるので注意が必要です。
・ソフト食
飲み込む力も噛む力も低下してきた方に適した食事です。
やわらかさは、噛む必要がないものから歯茎でつぶせる程度のものまであります。
食べ物をやわらかくなるまで煮込んだり、一度ミキサーにかけて再度固めて形成したものです。
・ミキサー食
噛む力がほとんどなく、飲み込むことが困難な方に適した食事です。
食べ物をミキサーにかけてドロドロのポタージュ状にしたものです。
ミキサー食は、飲み込む意識がなくても喉の奥に流れやすいため、きざみ食と同様に誤嚥につながる可能性があるため、粘度については注意が必要です。
・流動食
手術後や高熱で胃が弱くなった方に適した食事です。
お粥を炊いたときにできる上澄みの液の重湯や具なしのスープなど咀嚼する必要のないものです。
介護食作りのポイント
・不足しがちな栄養を豊富に含む食材を使う
特に不足しがちな栄養素は下記のとおりです。
【たんぱく質】卵、肉、魚、牛乳、大豆など
【カルシウム】牛乳、バターなどの乳製品、桜えび、しらすなど
【ビタミン】レバー、緑黄色野菜、魚介類など
【食物繊維】ごぼう、いも類、海藻類など
・塩分を控えめにする
高齢者は味覚の低下により、無意識に塩分を過剰摂取してしまうため、味付けは薄めにするように心がけましょう。
ただ、あまりに薄味では食べた時の満足感が得られないので、食べる方の好みに合わせてコントロールすることも必要です。
・誤嚥が心配なときはとろみ剤を使う
とろみ剤は食べ物をまとまりやすくしたり、食べ物や飲み物を喉へゆっくり送るためのものです。
まとめ
高齢の方にとって、充実した食生活を送ることは、必要な栄養を摂取するだけでなく、精神的な満足感を得ることにもつながり、生きる意欲にもなります。
毎日の食事を工夫して楽しみましょう。